2021年6月25日金曜日

導入したHCI環境のパフォーマンスを調べてみよう!~Nutanix Benchmarkツール X-Rayのご紹介~

みなさん、こんにちは

本日投稿の内容について、以前別サイトで私が投稿したブログの内容です。
サイトの閉鎖に伴い、こちらで再度掲載いたします。

今回はNutanixのベンチマークツールであるX-Rayをご紹介したいと思います。
X-Rayは日本語に訳すと”X線”という意味になりますが、その名の通りレントゲンのように、Nutanixの中身がどのようになっているのかを調べるツールであるということです。まずは、X-Rayがどのようなシーンで利用するのか?をご説明したいと思います。

1.使用しているHCI環境が問題ないのか・・・

実際にNutanix環境を構築してみたものの、そのHCI環境が問題なく性能が出せているのか?仮想環境に何か悪影響を与えていないのか?実際に運用フェーズに移る前に確認しておきたいことがあるかと思います。
そこで、登場するのがベンチマークツールになります。通常のベンチマークツールはおれぞれのワークロードを想定して数値を自分でチューニングする必要があり、自分の好みに合うか合わないかがあると思います。こちらのX-RayはまさにNutanixの環境向けに作られたベンチマークツールと言っても過言ではありません。詳細は後ほど説明しますが、こちらのツールはNutanix以外にも他の仮想環境と比較しながらベンチマークの結果(シナリオが別途必要)を見ることができるようになっています。

2.X-Rayを利用するときの構成

ここでX-Rayについて少し説明致します。X-Rayはパフォーマンスを測定したい環境の外部から負荷をかけるツールになります。そのため、Nutanixの環境が一つしかない場合はご利用できません。VMwareの環境があればOVAファイルを展開することでX-Rayの仮想マシンが展開できます。(AHV用もあります)

X-Rayをインストールすると、いくつかの異なるシステムをテストおよび分析し、使用するための同等の情報を報告してくれます。
このアプリケーションは、実際のユースケースをカバーするテストシナリオを提供します。これらのユースケースはパフォーマンス、データの完全性、可用性などの領域が異なるため、ハイパーコンバージドプラットフォームに非常に適しています。

X-Rayのテストシナリオでは、次の領域がカバーされています。

注:X-Rayはターゲットごとに1度に1つのテストシナリオしか実行できません
注:X-Rayは4ノード未満のクラスターをサポートしていません

可用性
X-Rayのテストではワークロード中にハイパーコンバージドソリューションがノード障害をどのように許容するのかをテストします。一貫性のあるパフォーマンスと安定性により、システムの可用性と管理ファブリックの耐障害性がテストされます。

リアルなパフォーマンス
X-Rayはシステムのソリューションをテストして混在したワークロードを処理します。ソリューションには単一のノードでデータベースを実行し、複数ノードでVDIワークロードを同時に実行し、VMスナップショット、VDIブートストーム、VMプロビジョニング、および複数のワークロードまたは安定性を長期間にわたって混在させることができます。

機能セット
機能としてはVMプロビジョニング、重複排除、圧縮、VAAIサポート、ねいてぃj部VMレベルのレプリケーション、ワンクリックソフトウェア・ハイパーバイザーアップグレード、BIOS/ドライブ、複数のハイパーバイザーとの互換性、および同じソリューションによるハイパーバイザー間の移行および変換機能が含まれています。

データの整合性
データの整合性はデータの紛失や破損しないことが、ストレージデバイスやファイルシステムにとって重要です。このアプリケーションは停電時またはコンポーネント障害時のデータの安全性をテストします。

3.X-Rayのテストシナリオ

X-Rayのテストシナリオについてお話したいと思います。
X-Rayは通常は上記シナリオを用意しております。一般的なOLTP、VDI、DSSなどを用意していますが、これ以外にもカスタム化されたシナリオ(詳細は上のイメージをご参照ください)があります。X-Ray 3.0からはシナリオはオープン化されており、GitHubなどからダウンロードが可能です。

X-Rayでの出力結果を見てましょう。

4.X-Rayの分析結果のダッシュボード



良い結果と悪い結果を⾒⽐べるとわかりますが、負荷をかけたクラスタが正常であればIOPSも安定しますが、そうでなければ数値にばらつきが出ます。その原因を追究するためにも⼀度このツールを利⽤して環境を確認する必要があると思いますし、このツールを利用しないで本番環境でサービスインをして、パフォーマンスが足りません・・・など困らないようにならないためにも、X-Rayで事前に確認することも大切です。

5.カスタムシナリオ

カスタムシナリオについて説明したいと思います。

冒頭に他のHCIとの⽐較・・・という話もあったかと思いますが、他のHCIのシナリオは上記のURL(https://gitlab.com/nutanix/curie)にあります。URLにCurieという名前がついていますが、X線という名称がついていることを考えればキューリー夫⼈のことを指しているわけですね。

GitHubサイトのシナリオのフォルダとみるとYAMLのファイルがたくさんありますので、これらで必要なものをダウンロードして、X-Rayで設定すれば⾒ることができます。

6.カスタムセットアップ

こちらはファイルの中⾝になります。記載する内容はVMの種類やワークロードなどを設定するようになっています。

Nutanixセットアップして、本番前にX-Rayで負荷かけて環境チェックするのもよいと思いますので、是非一度お試しください。

よろしくお願い致します。

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