2020年4月14日火曜日

vSphere 7の紹介【vCenter編】

みなさん、こんにちは
本日は先月リリースされたvSphere 7についてご紹介したいと思います。
今回のvSphere 7については様々な機能が強化されておりますので、一度に全部紹介すると記事が長くなるため、小分けにしてご紹介しようと思います。
今回はvCenterの機能についてです。

ただし、今回はvSphere 7を初めて取り上げため、まず初めにvSphere 7の柱となる機能もご紹介いたします。

1.vSphere 7: 最新クラウドインフラストラクチャに不可欠なサービス
今回のvSphere 7は主にコンテナ対応とIoT・エッジまでの統合プラットフォームの対応になります。また、AIやMLを利用した管理も今回の特徴です。
vCenterおよびvSANなどの機能強化については、以下の内容に含まれます。

合理化された開発環境
  • 完全に互換性のあるKubernatesためのTanzu Kubernetes Grid
  • Kubernates APIを介したリアルタイムのインフラストラクチャアクセス
  • vSphere ポッドサービスは高いパフォーマンスと強化されたセキュリティを提供
アジャイルオペレーション
  • アプリケーションをフォーカスした管理
  • 効率的なライフサイクル管理
  • 上流から下流に至る固有のセキュリティ
  • クラウド、データセンターそしてエッジまでの導入における統合プラットフォームと一貫性のある運用
イノベーションの推進
  • 費用対効果の高い AI / MLハードウェアプール
  • DBおよびビジネスに不可欠なアプリケーションのパフォーマンスと復元力
  • タイムクリティカルなアプリケーションの予測可能なサービス品質

2.vCenter Server 7のアップグレード機能
vCenter Serverを構築するにあたり、vSphereでID管理、証明書管理、ライセンス管理などのサービスをサポートするPSC(Platform Services Controller)を導入する必要があるかと思います。
こちらは主に以下の内容を提供します。
  • vCenter Single Sign-Onによる認証
  • VMware Certificate Manager (VMCA)証明書を使用したデフォルトでのvCenter ServerコンポーネントおよびESXiホストのプロビジョニング
  • VMware Endpoint証明書ストア(VECS)に格納されているカスタム証明書の使用
vSphere 6.7まではPSCとvCenterは別で構築することが必須で、PSCをWindowsにインストールするか、PSCアプライアンスを導入する必要がありました。
vSphereからはPSCの導入を別途行う必要がありません。vCenterの内部にPSCが組み込まれます。vSphere 6.7からvSphere 7に移行される方はConvertion Toolを利用してPSCを組み込むことができるようになるそうです。(vSphere 6.7 U2ではvSphere Clientに統合されて、GUIで実行できるようになっています)
3.vCenter Server スケーラビリティの強化
次にvCenter Serverのスケーラビリティの強化についてお話したいと思います。vSphereはバージョンアップするにつれて、スケーラビリティが向上しておりますが、今回のvSphere 7においても以下の点でvSphere 6.7に比べてスケーラビリティが向上しています。

  • vCenter Server1台あたりの管理ホスト数・VM数
  • リンクモード時の管理ホスト数・VM数
  • vCenter Serverのレイテンシ

クラウド・エッジ対応も考えると、リンクモード時の管理VM数が多くなるのは当然のことかと思います。そのためなのか、vCenter間のレイテンシ間隔が増えています。
4.vCenter Server プロファイル
vCenter Serverの管理をREST APIで連携することが可能になります。
利用できるAPIはイメージにも記載がある通り、リスト(List)、エクスポート(Export)、検証(Validate)、インポート(Import)の4つで構成されます。
これにより、vCenter ServerプロファイルはPuppet、Chef、Ansibleなどの自動化ツールを利用することができます。
5.コンテンツ ライブラリ
vSphere Clientではコンテンツライブラリに保存されているVMテンプレートを編集したり、他の特権ユーザーが加えた変更を監視したりすることができます。チェックアウト操作を実行して、VMテンプレートから仮想マシンを更新することができます。このプロセスの中でVMテンプレートは他のユーザーからのチェックアウトには利用することができませんが、中断することなくVMテンプレートから仮想マシンがデプロイできます。

テンプレートから仮想マシンをチェックアウトして仮想マシンを更新した後に、仮想マシンをVMテンプレートに変換し直す必要があります。VMテンプレートにチェックインすると、仮想マシンの更新された状態を含むVMテンプレート(VMTX)の新しいバージョンが作成されます。最新のVMテンプレートを保持する必要のない変更が含まれている場合、または最後のチェックイン時に間違えた場合はVMテンプレートを以前のバージョンに戻すことができます。

または、管理者が同期の頻度とパフォーマンスの最適化をより細かく制御できるように、新しく先進的な構成も追加されています。
6.vCenter Server マルチホーミング
vCenter Server 7はマルチホーミング(マルチNIC)構成をサポートするようになりました。追加された最初のネットワークアダプター(NIC 1)はvCenter HA(VCHA)用に予約されており、常時利用されるNICとなります。
追加される後続のネットワークアダプターには、NIC2,NIC3などの番号が付与されます。
ネットワークアダプターを追加する場合、vCenter ServerアプライアンスでのNICの最大数は4です。さらに多くのアダプターをアプライアンスに追加できる場合がありますが、サポートされるのは4つまでです。

以上、よろしくお願い致します。





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