2020年11月18日水曜日

ESXi on ARMをインストールしてみました

皆さん、こんにちは

本日はARM上で動作するESXiについて、Raspberry Pi上でインストールしてみましたのでブログを投稿します。

すでにESXi on ARMに関する日本語のブログはいくつか掲載されておりますので、内容は重複するところはありますが、予めご了承ください。

ESXi on ARMの情報については以下のリンクに掲載があります。
(ESXi-Arm Fling Docはインストール方法[英語]も記載されています)

ESXi Arm Edition

https://flings.vmware.com/esxi-arm-edition
Announcing the ESXi-Arm Fling
https://blogs.vmware.com/vsphere/2020/10/announcing-the-esxi-arm-fling.html
ESXi-Arm Fling Doc - VMware
https://download3.vmware.com/software/vmw-tools/esxi-on-arm/ESXi-Arm-Fling-Doc.pdf

Raspberry PiのUEFI
https://github.com/pftf/RPi4/releases/download/v1.20/RPi4_UEFI_Firmware_v1.20.zip
Raspberry Piのファームウェア
https://github.com/raspberrypi/firmware/archive/1.20200902.zip


上記URLからARM版のESXiもダウンロードしておきます。
さて、ESXi on ARMをインストールするためにRasberry Piが必要になります。
今回購入したRasberry Piは以下のものです。併せてAmazonのリンクもつけておきます。

TRASKIT Raspberry Pi 4 Model B /ラズベリーパイ4B(8GB RAM)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08D6CYBNS/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o02_s00?ie=UTF8&psc=1

こちらが上記URLのRasberry Piのキットになります。


こちらがメインの基盤になります。

セットアップ方法については、付属のマニュアルにも記載がありますが、YouTubeにも動画がアップされているので、自身ない方は以下のリンクも参考にされると良いかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=Iwmcp80PLQE

今回購入したモデルは8GBモデルのRasberry Pi 4になりますが、ESXi on ARMをインストールするだけであれば、4GBモデルでも対応可能でありますが、個人的には、今後の利用用途も考えてメモリ容量大きめモデルを購入しました。

なお、4GBの場合はインストールのコンフィグ上で追加設定を入れる必要があります。
ここからは、インストールに必要は内容を記載していきたいと思います。

1.ESXiのインストーラーのUSB Keyを作成

以下のものを事前にダウンロードしましょう(10月30日時点で最新版)

  • VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-17068872.aarch64 (My VMwareからダウンロード)
  • firmware-master.zip (GitHubからダウンロード)
  • RPi4_UEFI_Firmware_v1.20 (GitHubからダウンロード)

ESXiのイメージ(VMware-VMvisor-Installer-7.0.0-17068872.aarch64)をイメージ作成ソフトウェアでUSBメディアを作成するのですが、インストールDocumentを見ると、balenaEtcherを利用したUSBメディアの作成方法が記載されています。
こちらでもインストールメディアは作成可能ですが、私は通常利用しているrufusを利用して作成しました。(Windowsでインストールしておりますが、MacOSでのインストール方法もドキュメントに記載があります)

balenaEtcherのセットアップ画面

こちらの準備が終わったら、Rasberry Pi側のセットアップを行います。
Raspberry PiのFimwareもそのままだと古いバージョンのものが入っているので最新版にアップデートします。

2. Raspberry Pi用のイメージ作成ツール

Raspberry Pi用のイメージ作成ツール(Raspberry Pi Imager Tool)はRasberry Piのサイトにあります。こちらはRasberry Piに付属しているMicroUSBにイメージを作成します。
#Raspberry Piに付属しているMicroUSBは128GBでしたが、32GBのものを今回使用しました。

Raspberry Piサイト
https://www.rasberrypi.org/downloads/

Raspberry Pi Imager Toolの画面

こちらでセットアップしたMicroUSBをRaspberry Piに挿入してRasberry Piを起動します。

3. Raspberry Pi EEPROMのアップデート

Raspberry Piのファームウェアアップデートになります。
RaspberryのOSを起動して、セットアップウィザードからアップデートを選択して、その後再起動を行います。

Raspberry本体のファームウェアアップデート


再起動にターミナルを立ち上げて、以下のコマンドを入力します。

# sudo rpi-eeprom-update 

再度プロンプトが出てきたら、再起動します。これで、Raspberry Piのファームウェアアップデートは終了です。


ここまでは写真少なめでスイマセン。

4. ESXi on ARMのインストール

ESXiをインストールするためには、次の1で作成したUSB Key以外に以下のものが必要となります。

  • MicroUSB (こちらのカードはUEFIのファームウェアのみで利用されます)
  • 1で作成したUSBのESXiインストーラー
  • ESXiのインストール先のUSB

USBメモリはインストーラーは4GB、インストール先のメディアは8GBを用意しました。
MicroUSBは32GBのものをもう一枚所有していたので、そちらを利用しました。

MicroUSBについては、ファームウェアをコピーするため、PCの入れてフォーマットしましょう。

メディアフォーマットの画面

こちらは別のMicroUSBでフォーマット画面を出していますが、使用したUSBは32GBのため、FAT32にフォーマットしています。
フォーマットしたMicroUSBにファームウェアのデータ(以下の赤字)をコピーします。

  • firmware-master.zip (GitHubからダウンロード)
  • RPi4_UEFI_Firmware_v1.20 (GitHubからダウンロード)

コピーする際に、firmware-masterから解凍したzipファイルのディレクトリ内にあるboot領域にあるkernel関係のファイルをすべて削除します。

firmware-master.zip解凍後のディレクトリ

次に、RPi4_UEFI_Firmware_v1.20.zipを解凍します。
こちらの解凍後のディレクトリをそのままfirmware-masterに解凍したディレクトリにコピーします。
コピーが終わったら、Raspberry Piの4GBモデル場合は、Configを変更する必要があります。
config.txtをテキストエディタで開いて、以下の一行を追加してください。

gpu_mem=16

このコンフィグを保存したら、準備は完了です。
ここから、二つのUSBをRaspberry PiのUSB3.0のポートに差して、MicroUSBをSDカードのポートに差し込んで、Raspberry Piを起動します。

5. ESXi on ARMの起動

Raspberry Piを起動すると以下のような、ESXiの起動画面が出てきます。
写真だとみにくいかもしれませんが、ARM上で起動していることが分かります。

ESXi on ARMの起動画面

6. ESXi on ARMのインストール

インストーラーが立ち上がると、この次のような画面になります。
Installationのトップ画面

こちらの画面でContinueを選択します。

インストール領域の選択画面

Localの4GBの領域は現状のインストーラー用のUSBの領域になります。
今回インストールするのは、8GBのUSBの方になりますので、そちらを選択します。

インストール実行するかどうかの確認画面

インストールするかどうかの確認画面になります。F11を押してインストールを実行します。

インストール中の画面

3分くらい経過して、だいたい90%程度終了しています。あともうちょっとです

インストール完了画面

インストール終了の画面です。Enterを押して再起動しましょう

再起動中の画面

Raspberry Piの画面が表示されます。

再起動後の画面

再起動後の画面です。ネットワーク設定がDHCPを使う設定になっていたため、IPアドレスの表示がおかしくなっていますね。こちらはStaticのIPに変更するか、DHCPをちゃんと
設定して使えるようにして下さい。
ネットワーク設定が終われば、Webブラウザでログインができます。

7. ESXi on ARMへのログイン
Google ChromeでIPアドレスを指定してログインします。
ESXiログイン画面

接続すると、VMware ESXi on Arm Flingの表示がされています。
ここで、セットアップ画面で設定したRootアカウントでログインします。

vSphere Clientの画面

こちらがvSphere Clientの画面になります。
見づらい画面になっておりますので、以下に拡大して表示します。


Raspberry Piのメーカー/モデルが表示されていることが分かります。CPUもARMの4コアのチップが搭載されており、メモリ8GBで認識されています。ストレージに関しては現在筐体内に存在していないので容量はありません。

ESXiのイメージについてもESXi7で動作していることが分かります。

動作確認ができたのでブログの内容としてはここで終了ですが、一部の方はvCenterをインストールできるのではないかと思う方もいると考えますが、それは無理です。
念のため、vCenterのCLIのインストーラーを利用して、Raspberry Pi上のESXiにインストールしましたが、以下のような画面になっています。

vCenter CLI Installerの実行結果

この画面にも表示されておりますが、vCenterをインストールするために、メモリ容量が19GB必要となります。そのため、こちらのESXiの使い道については、今のところ2ノードvSANのWitnessを実行する環境にちょうど良いのではないかという意見もあります。

筆者の環境には現在vSANを用意できる環境がないため確認はできませんが、今後検証することも視野に入れたいと思います。

以上、よろしくお願い致します。